精神の安定・思考の整理・集中力の強化に
役立つ呼吸法のすすめです。
ストレス社会と言われる現代社会を
生きていく上でどれも大切な能力です。
心拍数の変動度合いを表す”心拍変動”が、
交感神経(興奮・緊張状態)と副交感神経(リラックス・鎮静状態)の
活性と関係している事がアメリカの心理学者の研究によってわかりました。
【ケンタッキー大学 スーザン・C・セガストロール】
交感神経が活性化している時は、
心拍数は高止まりして下がらず(心拍変動の低下)、
副交感神経が活性化している時は、
心拍数はゆったりと上がったり下がったりします(心拍変動の上昇)。
そして、心拍変動を上昇させるためには
ゆっくり呼吸する事が効果的だという事もわかっています。
具体的には、
1分間あたりの呼吸数を4〜6回程度
にセーブすると良いとされています。
セルフコントロール能力の強化に秀でたマインドフルネス認知療法では、
どんな思考も90秒以上は持続しないと言われています。
連想や思考の連鎖を続けない限り、
90秒以内で興味を失い、次の思考が始まります。
頭を切り替えたい時や好ましくない思考が出現した時は、
この連想・連鎖をカットする必要があります。
その際に、生きている限り止まる事のない呼吸に
意識を向けると、”思考の空白”を作り出す事ができます。
つまり、思考に意識を追随させず、
90秒間呼吸に意識を向ける事ができれば、一つの思考がリセットされます。
以上の二つのポイントを抑えると、
①1分あたり4〜6回の呼吸数
②90秒以上
をカバーできていれば、
今回の目的に合った呼吸法と言えるでしょう。
無数の呼吸法がありますが、
やりやすいもので良いでしょう。
ラジオ体操の最後の深呼吸でも、
少しゆっくり行えば上記条件をクリアできそうです。
必ずしも、正座で背筋を正して、長時間やる必要はありません。
氣軽にこまめに行う事が重要です。
雑念や思考の連鎖を止めるためには、
心の中で「吸って」「吐いて」と唱えると楽です。
「吸ってー・・・・・」と唱えながら肺を満たします。
満たされたら一瞬止めて
「吐いてー・・・・・」と唱えながら肺を空っぽにします。
やっていくうちに、
自分にとって心地良いリズムがわかってきます。
一呼吸あたり15~20秒程度だと思いますので、
5~6回繰り返せば条件をクリアできます。
また、インドで有名な呼吸法で、
「吸って」の部分を「ソー」、「吐いて」の部分を「ハム」
もしくは、
「吸って」の部分を「マー」、「吐いて」の部分を「オー(ム)」
に置き換えたものがあります。
この呼吸法の良いところは、唱える音と呼吸の音がマッチするところです。
言語脳が刺激されないので、よりリラックスして呼吸する事ができます。
【精神の安定】【思考の整理】【集中力の強化】
に役立つ呼吸法を解説しました。
裏を返せば、
【不安定な精神状態】【思考の渋滞・複雑化】【集中力の低下】
このような状態に陥っている事に氣付いた時には、
いつでも・どこでも積極的に行いましょう。