クラニオセイクラル(頭蓋骨仙骨療法)・内臓マニュピレーション・タッチフォーヘルス・音叉療法・カラーセラピー
バランスボディ 千駄木の整体院

目標達成のために知っておきたい事 No.3パブロフの犬

「ワクワクする事をやると成功する」

「退屈な日常にドキドキするような体験を!」

「脳の報酬系を活用して目標を達成しよう!」

このようなフレーズを聞いた事はありませんか?

 

今回はこのワクワク感、ドキドキ感と呼ばれる胸の高鳴りと

脳の報酬系について解説してみたいと思います。

 

パブロフの犬

ソ連の生理学者イワン・パブロフによる有名な実験。

パブロフはこの実験結果をまとめ、

条件反射古典的条件づけを発見したとしてノーベル賞を受賞しました。

 

どのような実験だったかと言うと…

 

犬にメトロノームの音を聞かせた後に、エサを与える。

(エサを与えられると唾液が分泌する)

これを繰り返して、パターンを学習させると、

メトロノームの音を聞いただけで唾液が分泌されるようになる。

 

【参考動画】Pavlovs Dogs

 

当然ですが、パターンの学習なしに

単にメトロノームの音を聞かせても唾液は分泌されません。

メトロノームの音とエサが紐付けされたから起こる現象です。

 

人間では、レモンや梅干しを見たり、想像した時に唾液が出ます。

これもレモンや梅干しの味を知っていないと起こりません。

 

ドーパミン

パブロフの犬に話を戻しましょう。

パターンを学習した犬の脳内では、メトロノームの音を聞いた時に

ドーパミンという神経伝達物質が分泌されている事が近年の実験で解明されました。

 

ドーパミンは動物が報酬への期待を感じた時に放出されます。

報酬を手に入れるべく、動物を行動へ駆り立てるためのホルモンです。

 

ドーパミンが分泌されると、

「この報酬を得たら、どんなに氣持ちいいだろう…」と

期待が膨らみワクワクしたり、胸が高鳴りドキドキします。

 

心拍数や呼吸数は上昇し、筋肉に力が漲り、

報酬の対象から意識が離せなくなります。

周辺視野は狭まり、対象を逃すまいと集中している状態です。

 

ワクワクとストレス状態はセット

この反応、どこかで聞き覚えがありませんか。

 

そう、ストレス状態に置かれた時の闘争・逃走反応にそっくりです。

闘うか、全力で逃げるか緊張感のある交感神経優位の生理反応。

 

【蛇足】

“いつも肩に力が入っている

“力を抜いて下さいと言われてもよくわからない”

という人は交感神経優位の状態が慢性化している可能性があります。

前回も少し触れましたが、交感神経優位の状態には環境ストレスでもなります。

精神的ストレスだけが問題ではありません。

 

実は、ドーパミンは不安や恐怖等の感情中枢である

扁桃体を活発化して、ストレスホルモンを放出させる事がわかっています。

 

つまり、ドーパミンによるワクワク感は

感情を昂ぶらせて脳をハイにするのと同時に、

ストレスホルモンを放出させ、報酬の対象から

注意を逸らさないように緊張させるのです。

 

ワクワクと同時にストレス反応が起こっているのですから、

短期的には良いとしても習慣化して続けるのは、

犠牲や反動が大きいのではないでしょうか。

 

【Ex】モーレツ社員→燃え尽き症候群

 

まとめ

動物は報酬への期待に胸を高鳴らせると同時に、

報酬の対象から注意を逸せないように緊張状態になります。

 

太古以来、生存のために仕組まれたシステムです。

それを目標達成や成功のために、

うまく制御して利用できるものだろうか。

 

次回は報酬系のリスクをもう少し解説したいと思います。

比喩ではなく、本当に足が燃え尽きるまで

行動に駆り立てられるマウスの実験はなかなか衝撃的です。