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おすすめ図書No.10 「奴隷」になった犬、そして猫

タイトル 「奴隷」になった犬、そして猫

著者 太田匡彦

発行 朝日新聞出版

 

著者について

朝日新聞記者。2008年からペットブームの背景にある

犬猫の大量殺処分や不法遺棄等、生体販売ビジネスの実態の取材を始める。

 

内容と感想

タイトルや表紙から見て取れるようにショッキングな内容なので、

心に余裕のある時に読むといいかもしれません。

特に犬猫の飼育経験がある方には少々キツい可能性があります。

 

※一番下に参考動画を貼っておきます。

著者とも対談しているせやろがいおじさん(芸人)が

動愛法やペットビジネスについての動画を作成しています。

重たい内容ですが、沖縄の海も相まってマイルドな雰囲気で視聴できます。

 

約400ページとボリューム感がありますが、

私は動物が好きで猫を飼っていた事もあり、

知りたい世界についての本でしたので一気に読めました。

 

日本国内の犬猫の生体ビジネスの全体像や繁殖業者の実態が

よくわかる一冊です。

 

考えさせられる事が多かったので、

私の考察ともう少し内容について触れてみます。

以下【ネタバレ注意

 

 

形骸化していた動物愛護法

同法は、明確な数値規制や具体的なガイドラインが無い事と

附則(法改正による激変緩和措置として付帯された)により、

抜け穴だらけの法となっていました。

 

数字が決められていない法って何なのでしょう。

具体性がないので、行政による指導力も弱体化していたようです。

 

(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス等では、

ケージの大きさ、採光窓の設置と大きさ、飼育頭数に対する飼育者の人数、

年次の出産制限、流通可能な週齢規制(いわゆる8週齢規制)等が法律で定められている)

 

この事によって、繁殖業者やペットオークション(競り市)、

ペットショップの実態がどうなっているのかが、

取材に基づいてリアルに記されています。

 

 

2019年の法改正 規制強化を巡る攻防

動愛法は5年に1度、内容を見直すように定められています。

2019年の法改正に向けて、数値規制やガイドラインの強化、罰則の厳罰化等を

目指す超党派の「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」や動物愛護団体と

規制強化に反対するペット業界団体と一部議員との攻防が詳しく描かれています。

 

著者の取材によると、直前まで強固に反対していた議員は、

岸信夫衆院議員(自民党、安部晋三の実弟、日本犬保存会会長)と

遠藤敬衆院議員(日本維新の会、秋田犬保存会会長)だという事です。※P349~参照

ちなみに規制強化反対派の業界団体についてはP329~参照

 

国会議員と業界団体、最近よく見かける構図です。

 

【考察】規制強化に反対する理由

世界的なスタンダードであり、動物の保護・管理・共生を考える上で

必須とも考えられる法律による数値規制やその強化に反対する理由は何だろうか。

(議員や団体幹部の反論や反証については本書に詳しく書かれている)

 

ペット業界だけで起きている事ではありませんが、

生命や自然、環境、調和等よりも経済を優先している事が根底にあると思います。

※林業や建築業に関しては、愛工房開発者でアイ・ケイ・ケイ株式会社社長の伊藤さんが

著書で言及しています→参考

 

商売している側としては、

ブーム→増産→規制緩和、グローバル化→更なる増産、需要(消費と投資)の喚起

という流れを当然作りたい。

 

規制強化は生産コストの上昇を意味している。

コストが上がれば生産者(繁殖業者)が撤退し、市場規模の縮小が懸念される。

ブームで膨れ上がった市場規模を何とか維持したい業界が反対するのは、

お金と資産を増やすことが重要な資本主義経済では当然と言えば当然である。

 

大量生産、大量消費。

 

生体ビジネスでこれを目指す事がどういう意味なのか。

生命の尊厳よりも経済の自由を求める狂気的な社会に生きている事を痛感させられる。

 

規制強化に反対する業界団体の態度が透けて見える

著者との質疑応答が載っているので、ぜひ一読願いたい。

※P235~

 

妥協案を含む改正動物愛護法

最終的に2019年の法改正では、

8週齢規制、飼育環境の数値規制(環境省令で定める)、

動物殺傷罪の厳罰化等が盛り込まれました。

 

これは、生体ビジネスで扱われる犬猫たちにとっては

概ね良い方向へ前進したと思われます。

 

しかし、一部議員の規制強化への反対を受けて、

妥協案が盛り込まれた事も事実です。

(天然記念物である日本犬には8週齢規制は適用しないとする附則)

 

「5年に1度の見直し」というのは、

良い方へも悪い方へも転ぶ可能性があるという事です。

 

わたしたちができること

悪い方向へ行かないためには、国民の注視が必要です。

 

杉本彩さん、浅田美代子さん、世良公則さんら著名人は

動物愛護について積極的にロビー活動を行っています。

公益財団法人動物環境・福祉協会Eva

 

彼らや動物愛護団体を支援してもいいと思いますし、

動愛法を受け持つ環境省へ意見や要望を伝える事も有効でしょう。

環境政策に関する意見・提案、問合せ窓口

大臣よ、セクシーにお願いします。

 

参考動画

動物愛護法の改正について【せやろがいおじさん】

【動物愛護法改正の目玉!】各種数値規制に一言:せやろがいおじさん グッとラック!OA動画