2022年8月1日
タイトル 記憶する体
著者 伊藤亜紗
発行 春秋社
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。
マサチューセッツ工科大学客員研究員。
障害者へのインタビュー及び取材と著者の考察をまとめた一冊。
11の異なるケースを掲載。
外から見ているのではではわからないリアルな声が綴られています。
障害への向き合い方や生活への工夫や取り組み方は
個々別々にかなり独自性がある事に気づかされました。
社会生活や制度上、健常者と障害者というカテゴライズは必要で
その事によって、どうしても「障害者」という先入観が入ってしまいがちです。
障害者と接する機会が少ないと尚更で、
多くの人はそのような機会は少ないか皆無ではないでしょうか。
生活に困難を抱える人々がどのように感じ、
何を考えているかを知る事は先入観を取り払うのに役立ちます。
読み進めていくと、障害と一口に言っても
先天(生まれ持った)かと中途(人生の途中で負った)かで、
障害に対する捉え方や感じ方がかなり異なるという事がわかります。
言われてみれば当たり前の事ですが、考えてもみなかった事です。
当事者達の「体の感じ方」というパーソナルで
文章で伝える事が難しい部分へスポットライトを当てています。
故に、考察のパートでは読み進める事が難しい所もありましたが、
インタビューベースなので全体としては読みやすいと思います。
著書の基となる当事者へのインタビューや取材内容等が閲覧できます。