筋肉のコリやハリ、不調、日常動作の改善、
怪我の予防などに有効なストレッチのすすめです。
①運動前には(怪我の予防になるので)ストレッチをした方がよい
②運動前、競技前には(パフォーマンスが低下するので)ストレッチをしない方がよい
どちらにピンと来るかで、世代が分かれるかもしれません。
私が学生の頃は①が当たり前で、
部活の練習前には、筋肉をよく伸ばす柔軟体操を必ず行っていました。
②は筋肉や神経、反射などの性質が明らかになってきて、
ここ数年で一般化された新しい通説です。
さて、どちらが正しいのでしょうか。
新しい説の方が正しいように思えますが、
実は両方共、正しいです。
というのも、スポーツ科学では、
その性質により二種類のストレッチに分けられており、
各々に行う適切なタイミングがあるとされています。
筋肉を動かし、ポンプ作用により血流量を上げて、
体のウォームアップを目的としたストレッチ。
ある程度の勢いをつけて行うものもあります。
体育の授業などで行う準備体操(屈伸、伸脚、前後屈、肩回しなど)や
ラジオ体操、ブラジル体操などがこれに当たります。
10秒以上じっくり伸ばす事はせず、
動かしながら体をアイドリングしていきます。
可動域の端までしっかり動かす事で、
筋肉が機能的に働く領域を広げる事が可能です。
この動的ストレッチは、
①の怪我の予防になり、②のパフォーマンス低下を招きません。
運動前に行うとよいストレッチです。
いわゆる柔軟体操やヨガがこれに当たります。
反動をつけず、ゆっくり筋肉や腱を伸ばすことで
関節の最大可動域を広げていくストレッチです。
伸張反射(筋肉が急に伸ばされると断裂を防ぐために伸び幅を制限する)を
起こさないようにじわじわ伸ばします。
15秒以上かけて伸ばしていくと、
効果が上がりやすいと言われています。
この静的ストレッチを行うと、
関節の可動域は広がりますが(いわゆる”体が柔らかい状態”)、
筋肉の収縮は鈍くなります。
筋肉が発揮するパワーや瞬発力が低下してしまうのです。
これが②のパフォーマンス低下の所以です。
柔軟やヨガを行った後は、
確かに筋肉が伸びて気持ちいいですが、
そこから、筋トレをやろうという気になりません。
トレーニング後のクールダウンやリラックス、
日々の健康維持に向いたストレッチと言えるでしょう。
ここまで見てきたように、
二種類のストレッチにはそれぞれ特徴があり、
目的とタイミングを考えて行う事で有効になります。
私の場合は・・・
朝→チベット体操(動的ストレッチ)
休憩時間→2~3種類の柔軟(静的ストレッチ)、けん玉、壁倒立など
休日に時々、ジョギングをしていますが、
走る前に、軽めの筋トレ、もも上げやバーピーなど
動的ストレッチを行って体を温めています。
皆様も目的や好みに応じて、
日常生活にストレッチを取り入れてみて下さい。